砂糖。

横浜港に 横浜・さとうのふるさと って でかでかと書かれた物があります。
横浜で生まれ育っても その意味はまったくわからないし 興味もありませんでした。
ここしばらく 『資本主義と奴隷制』 っていう本を読んでいます。
暖かい地方で植民地とされていく土地で栽培される物は砂糖とタバコ。
タバコに関してはヨーロッパでも採れるので 競争原理でタバコ栽培は廃れていき 砂糖が利益を生む産物となります。
ただ 栽培して製糖して加工して出荷する ここまででワンセットなので コストがかなり嵩みます。
だからこそなのですけど 安くて補充がきく労働力としての 奴隷 が必要だったわけです。
これも単純に労働力というだけの話であれば 貧困層の白人 犯罪を犯した白人も労働力として数えられます。
ただ 移民希望者や年季奉公制 死刑からの減刑措置として未開の地へ送られるのが白人であって 奴隷制とは違うんですね。
年季が明ければ自由になれるし 流刑者は流刑者としてではなく 新天地で新しい人生を始められるわけです。
自分の土地を持つことも可能なわけで 奴隷 とは また違う存在なんですよね。
領土を拡大していくにあたって イギリスでは人さらいまで横行していたとも書かれています。
アイルランドの人を奴隷として 船に詰め込んでは送り込んだというのも事実です。
働けそうな人をさらっては未開地に送り込む そういったことが まあまあ日常的にあったという歴史ですね。
それは やがて犯罪として摘発されなくなりますが 代わりに合法的に安く働くいい労働の素材が必要になるわけです。
それが流刑であり 新天地での自由を餌にして釣る移民であり インドやアフリカから 輸出 される奴隷だったわけです。
これは砂糖を作るにあたってという話で アメリカ大陸の開拓やオーストラリアの開拓に関しては 白人の移民 流刑者の方が
送り込む側のコストがかからないし 好きなように開拓 開墾してくれるので上手いこと使われたみたいですね。
要は大きな農業プラントを維持するために必要な労働力を いくらでも補充できて 安上がりに使えて 永遠に逃げ出さないのが奴隷だったわけです。これはアメリカだと綿の栽培が主になるのかと思います。
この 横浜・さとうのふるさと の意味なのですけど 横浜港が開港した当時 日本が輸入した砂糖の80~90%は横浜港に
荷揚げされていたそうです。その後 アジア圏に植民地を持った日本は そこで砂糖を作るようにと命令を下します。
それが入ってくるのも 横浜港だったので さとうのふるさと ということなわけでした。
なんとなくですが 知らなきゃよかったな…っていう気持ちに 今なっています。
ふるさとっていうほど いいもんでもないような気もするし。
もともと ちょっと不思議ではあったんですよね。
日本って砂糖を自給自足できる土壌はなかったわけで 細々ですが てんさい糖や黒糖は作られていたようですが
精製された白糖は国産ではなかったような気がしていたわけです。
でも 横浜開港の時代には白い砂糖は日常に存在していたんですよね。
その生産地が 様々な思惑と事情を抱えた 西インド諸島などのプランテーションだったわけです。
まだ途中なので この先 どんなことが起きたのかは まだわかりません。
ただ まだ読み始めたばかりくらいの段階なのですけど 私たちが思いがちな白人は裕福で黒人は奴隷っていうことではなく
資本主義っていう世の中の見方では 人種や肌の色は関係なく 貧しい人は資本家のために いかに生産性を上げることに貢献するか?ただ それだけが 存在価値なんだなってことです。
そう考えると私とか無価値に等しいかもしれないなあと ちょっと背筋が寒くなりました。
暑いからちょうどいいですけどねw
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