アイヒマン調書を読んでる水晶の夜

今 ナチスの戦犯 アイヒマンの調書を ちょうど読んでいます。
今日は 水晶の夜 って呼ばれる ポグロムが起きた日なんですね。
当時のナチスはポーランド系のユダヤ人を ポーランドに移す計画を立てていました。
その際には ユダヤ人の財産は没収され 仕事もなくなります。
ポーランドも反ユダヤ主義が強く ドイツからの受け入れをしないために 今まで有効だったパスポートを無効にし
新しい認印があるものだけが ポーランドの入国を許可されるという 実質 締め出しをします。
家も財産も仕事もすべて奪われ 行き場を失くしたポーランド系ユダヤ人の息子 まだ17歳くらいだったと思いますが ドイツに住むお父さんから実情を聞き
その当時 自分が住んでいたパリのドイツ大使館にテロをしかけました。
それに対して市民が起こしたのが 水晶の夜 です。
ドイツの各地で 反ユダヤ主義の暴動が起きますが 民間人同士の抗争ということにしてナチスは止めには入りません。
これがあるからこそ この後 堂々とユダヤ人を迫害することができるようになったと私は考えています。
最初にポグロムっていう言葉を書きましたが これは破戒とか破滅という意味の言葉ですが
対ユダヤ人に限っては 集団が行う迫害行為を指します。略奪であるとか放火 破壊行動 差別などですね。
この場合 当たり前ですが人の命が失われるものも含みます。
水晶の夜に至るまでの経緯に 今読んでいる調書の主人公 アドルフ・アイヒマンは大きな影響を与えています。
多くのナチス幹部 ゲシュタポが戦後に捕まり裁判にかけられ 処刑されたか 自害したのですが 脱走して逃げ延び
最後はアルゼンチンで身柄を拘束され この調書を取られるに至ります。
脱走し偽名を使い 一般の市民として生きて家族と暮らしていました。
アイヒマンはユダヤ人をいかに助けるか? 自分はそういった任務についていたし 残虐な虐殺は知らないと言います。
この水晶の夜についても 覚えていない と供述しています。
ただ 自分は上からの命令に従っていただけ 断るなんてできない。
でも アイヒマンはたくさんのユダヤ人が 銃殺され溝に山盛りに埋められていることも知っていたし
そもそも 移民させるなんていう考えが ナチスにはないことも承知していました。
アイヒマンはナチスの中では 小者といっていいくらいの役職しかありません。
でも この小者だからこそ 最終解決 とナチスが呼んでいた 絶滅収容所にユダヤ人を送り込むことを計画させたのでした。
なんでもいうことをきく 断らない 出世したいけど出来ない。
組織のパーツとしてしか生きられない そういった人物だと見抜かれ 利用されていたと思います。
アイヒマンの調書はいい訳で溢れています。
自分は悪くない。
まだ 読み終わってはいないのですが 読めば読むほど 言われたことを 言われたようにやればいい。
他の部署は他の部署の仕事を忠実にこなしているし 自分もそうであれば安泰。
正直 ぶん殴りたいな と思う発言が たびたび出てきますが 組織でしか生きられない人間になると こうなるのかな?
組織が人をそうしてしまうのかな? どのみち 人間って愚かだなっていう虚しさが残りますね。
もし 私が当時のドイツでアーリア系と認められてナチスの親衛隊に誘われたら どう答えたんだろう?
ユダヤ人の友だちもいて その人と仲も良くて それでも国や政治 思想に呑まれちゃうんだろうか?
色んなことを考えたりします。
でもね たぶん規律が守れないだとか 言うこと聞かないとか まあまあ色んな理由で追放になるなとは思います。
追放でなければ粛清ですかね。
それもまた自分で選ばないといけない人生なんじゃないかなと思ったりもしました。
それにしても 集団心理って怖いもんですね…。
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